採用サイト制作のポイントとおすすめコンテンツ

既存のコーポレートサイトとは別に「採用サイト」を作る企業が増えています。従来のコーポレートサイトにも「採用情報」はありましたが、どうして別サイトとして立ち上げる必要があるのでしょうか。それは「採用情報」の枠には収まらない情報を発信する必要があるからです。従来の採用情報に掲載されていた情報は募集要項や社員紹介、福利厚生などでした。しかしそれだけでは現在の売り手市場では不十分なのです。

採用サイトとは

採用サイトは採用情報を抜き出したサイトではない

よくある間違いは、従来のコーポレートサイトの「採用情報」を抜き出して「採用サイト」を独立させるという考え方です。これは根本的な間違いです。「コーポレートサイトが古いしデザイン的に良くないからコーポレートサイト全体をリニューアルしたいけど、費用がかかりすぎるから、とりあえず採用情報を抜き出して採用サイトだけを作ろう」と安易な考えで採用サイトを作ってはいけません。採用サイトはコーポレートサイトとはまったく別のサイトとして考えるべきものなのです。

相手が変われば話す内容も変わる

コーポレートサイトのターゲットは基本的にクライアントです。BtoBの企業でもBtoCの企業でも同様です。当然サイトの内容はクライアントに向けたものになります。社長の挨拶、製品やサービスの紹介、価格やサポートなどなど。たとえば製造業の場合、クライアントが求めているのは技術情報や生産設備、品質管理体制なので、専門的な内容になります。ようするに営業トークです。

採用サイトのターゲットはもちろん就活生です。知りたい内容は「この会社はどんな会社か」です。すでにエントリーの意志が固まっているのであれば募集要項があればじゅうぶんですが、企業研究の段階で見た場合には、何をしている会社で、どういう仕事があって、どういう社員がいて、と企業のアウトラインを知りたいと思うでしょう。では、コーポレートサイトに掲載されているクライアント向けの情報を就活生が見て、ちゃんと把握できるでしょうか。クライアントが知りたい内容と就活生が知りたい内容は違うのです。

採用サイトの正しい考え方

繰り返しになりますが、コーポレートサイトの「採用情報」を抜き出して「採用サイト」を独立させるという考え方は間違いです。そもそも「採用サイト」という呼び方がいけないのかもしれません。正しい考え方としては、従来のサイトは「クライアント向けコーポレートサイト」で、採用サイトは「就活生向けコーポレートサイト」です。

採用サイトの必要性

採用サイトの必要性についてはこちらのコラムで詳しく書きました。

2024年卒の就活スケジュール

3月に企業の広報活動開始、6月に選考開始、というスケジュールはこれまでと変わりません。採用サイトを使った新卒の広報活動についてはルール通りに行うのであれば3月1日からとなります。

政府方針

  • 広報活動開始:(卒業・修了年度に入る直前の、以下同)3月1日以降
  • 採用選考活動開始:6月1日以降
  • 正式な内定日:10月1日以降

3年生 4年生
6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
自己分析                
業界・企業研究                
インターンシップ(サマー) (オータム&ウィンター)                
OB・OG訪問                
                  エントリー          
                  ESの提出          
                  |←予想される動き 筆記試験・GD・面接  
                        内々定  
                                内定式

高卒採用のスケジュール

高卒採用は大卒採用とはいろいろ異なります。厚生労働省、学校組織、主要経済団体の三者による協定によって厳格にルール化されているので、企業はそのルールをよく理解したうえで採用活動を行わなければいけません。基本的に企業は高校生に直接アプローチすることができず、事前にハローワークに求人票を提出して確認してもらう必要があります。高校訪問は7月・8月の2ヶ月間に限られるので、この期間が採用活動期間となります。

2年生 3年生
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
三者面談
求人票の確認
応募
試験
面接・内定

採用サイト制作のポイント

基本的なページ構成とコンテンツ

以下の表はベーシックな採用サイトのページ構成です。業界によって内容は異なりますが、就活生は何を知りたいかを基本に考えることが重要です。大きな分類でいうと「事業(クライアントに何を提供しているのか)」「働き方(事業のために社員はどのように働いているのか)」「募集情報(どういう人材を必要としているのか)」が三本柱です。

カテゴリー ページ 内容
事業内容 ミッションとビジョン 会社が現在行っている事業と今後のプランを書きます。社長が語る形式で「トップメッセージ」としてもいいでしょう。学生は企業の将来性に注目します。重要なのは「現在と未来」を説明することです。
ビジネスモデル 会社がどのように利益を上げているかをできれば図示して説明します。顧客は誰で、どのような価値を提供しているのか。長く業界にいると当たり前のことがわからなくなってくるので、自分の子供にわかりやすく説明することをイメージするといいでしょう。
サービス・商品 具体的にどのようなサービスや商品があるかを説明します。同業他社との差別化要素があるとわかりやすくなるでしょう。
仕事内容 仕事の流れ(社員紹介) 多くの採用サイトに「社員紹介」がありますが、就活生が知りたいのはどんな社員がいるかではなく、どんな仕事がありどんな人が携わっているかです。顔を出せばいいと思って営業職の社員ばかり並べているようなサイトがありますが、あまり意味はありません。タイトルを「社員紹介」にする場合には部門ごとに整理するなど工夫をしてください。「仕事の流れ」や「職種紹介」と「社員紹介」を兼ねると効率的で効果的です。
社員の一日 必須のコンテンツではありませんが、就活生に入社後のイメージをつかんでもらうことができます。そのためにはベテラン社員を出すのではなく、入社2〜3年目の若手をピックアップすることが重要です。
環境・働き方 福利厚生・制度 最近の就活生は仕事の内容よりも休日や残業、福利厚生で企業を選ぶという調査もあります。良い会社は社員を大切にするという考え方があるのでしょう。実際のイベントの様子などを写真で紹介すると効果的です。
数字で見る 平均年齢や男女比、部門ごとの文系理系比率、管理職データなどをグラフで表現します。歴史のある会社だけど若手が多いとか、システム会社だけど文系が多いとか、就活生に知ってほしい会社の全体像をデータとして見せることが重要です。
部活・サークル 就活生に意外と響くのが部活・サークルの情報です。みんなが笑っている写真を出しやすいので、会社の雰囲気を伝えるには便利なコンテンツです。
募集情報 求める人材(採用担当者メッセージ) どういう人材を求めているのか、採用担当者からのメッセージを発信します。就活生へのアンケートでは合同企業説明会では採用担当者がどういう人かでエントリーするかどうかを判断するという調査もあります。普段から何をどのように話すかトレーニングすることも必要になります。
新卒採用募集要項 文字ばかりのページになるので読みやすいデザインにすることが必要です。
インターンシップ インターンシップをやっていない時期でも、今年度のインターンシップは終わりましたと書くだけではなく、どのような内容でやっているのかがわかるようにしてください。
中途採用募集要項 中途採用をしている場合、たんに募集要項を載せるだけではなく、新卒採用とは分けて社員紹介や待遇を示す必要があります。

数字でみるなんとかは別のコラムで詳しく書きました。

サーバーとドメイン

採用サイトを作るにあたってコーポレートサイトと別ドメインにしたほうがいいのか、サブディレクトリではなくサブドメインにしたほうがいいのか、という質問をよく受けます。結論からいえばどちらでも構いません。大手の企業でもサブディレクトリに置いているところも多くありますので、サブディレクトリでいいのではないでしょうか。ただアドレスに「2022」などの年を入れるのはおすすめできません。SEO施策としても同じものが望ましいですし、今後の通年採用を考えると年で分けることはマイナスになります。

採用サイト制作の費用と料金相場

制作会社に依頼する場合の相場は50万円から150万円くらいで、取材や撮影などコンテンツ制作も必要な場合にはその費用が上乗せされます。最近では動画を使うこともありますが、動画については内容によって費用が大きく変わります。費用を抑えたい場合には個人に発注するというのもありますが、それなりにリスクもありますので事前の確認はしっかりする必要があります。

採用サイト制作の納期目安

制作期間は内容にもよりますがだいたい2〜4ヶ月程度はかかるので、採用スケジュールを踏まえて早めに依頼する必要があります。3月の頭から公開したいというのであれば10月か11月頃には発注しなければ間に合いません。

短納期ですぐに立ち上げたいという場合には下記の弊社「ドンピシャ採用サイト」をご検討ください。

採用サイトに最適化したテンプレート

最適化Webサイトシリーズ「ドンピシャ」の採用サイト制作テンプレート「ドンピシャ採用サイト」は採用サイトとして最低限あるべきページが標準で用意されているWebサイトのテンプレートです。早く安く採用サイトを立ち上げたいときにはおすすめです。

採用サイト制作テンプレート「ドンピシャ採用サイト」

参考にしたい採用サイト

デザインとコンテンツで参考にしたい採用サイトをいくつかまとめました。大企業のものは規模が違って参考にならないと思われるかもしれませんが、コンテンツのまとめ方や写真の撮り方など参考にできる点はたくさんあるはずです。

三井物産株式会社

三井物産株式会社

ちょっとクセの強いデザインで使い勝手はあまりよくないのですが、コンテンツはとてもよくまとまっていて参考になります。とくに「働く環境」のなかの「本社ビルの各フロア構成」や「働き方のイメージ」はユニークです。また採用サイトながら会社のことをしっかり知ってもらうためにアニュアルレポートや有価証券報告書などにもリンクを張ってあるのは共感できます。

https://career.mitsui.com/

株式会社藤和ハウス

株式会社藤和ハウス

1ページ構成になっていて、社員紹介からはじまり会社のこと、仕事のこと、順に説明していくユニークなデザインです。不動産営業という仕事なので社員にフォーカスしたというのは納得できます。

https://recruit.towa-house.com/

株式会社みずほフィナンシャルグループ

株式会社みずほフィナンシャルグループ

とても凝ったデザインでユーザビリティはあまりよくないのですが、コンテンツはボリュームがありユニークなものも多く読み応えがあります。とくに「<みずほ>が起こしてきた変化」のページでは数字を使って実績や取り組み、歴史がコンパクトにわかりやすく紹介されています。

https://www.mizuho-fg.co.jp/saiyou/

株式会社FPコーポレーション

全体のページ数は多くはありませんが、コンパクトにまとまっており、わかりやすいサイトです。トップページで会社のアウトラインを説明し、各部門をインタビュー形式で紹介しています。写真や動画の使い方も参考になります。

https://www.fpcorp.co.jp/company/recruit/

アース製薬株式会社

企業の現在と未来がわかりやすく説明されていますし、職場の明るく前向きな雰囲気も伝わってきます。まさに採用サイトのお手本といえるクオリティです。「よくある質問」もうまくまとめられているので項目の参考となるでしょう。

https://corp.earth.jp/jp/recruit/graduate/

日本電産株式会社

全体的にコンテンツが良いのですが、とくに会社のことを紹介した「日本電産アウトライン―5分でわかるNidec―」がよくできています。会社の特徴は社内にいるとなかなかわからないものなので、第三者の視点も入れて考えることが重要です。

https://www.nidec.com/corporate/recruit/gradu/

アクサダイレクト

デザイン的にもコンテンツ的にもとてもよくできたサイトです。「FAQ」のページも就活生のニーズを考えた内容になっています。最近は当然スマホでの閲覧がメインになりますが、スマホで見たときのUIがとても参考になります。

https://www.axa-direct.co.jp/company/recruitment/

エース株式会社

デザイン的にわかりやすく参考になります。「カルチャー」というページは就活生のニーズにマッチしたコンテンツになっています。

https://www.ace.jp/recruit/newgraduate/

エン・ジャパン株式会社

何をやっている会社なのか、現在から未来へのつながりがとてもわかりやすく表現されています。また「プロジェクトストーリー」は読み物としても面白くよくできたコンテンツです。就活生は自分を投影して働き方をイメージできるでしょう。

http://corp.en-japan.com/company/recruit/

大成建設株式会社

伝説的なキャッチコピー「地図に残る仕事。」をコンセプトに作られていて、ブランディングのお手本のようなサイトです。また出身学科系統と職種とを図示した「職種と専攻マトリクス」は素晴らしいコンテンツです。

https://www.taisei.co.jp/saiyo/new/

関連ページ

詳しくは関連ページをご覧ください。

お気軽にご相談ください

全国47都道府県対応。予算や仕様に応じて最適な提案を行います。

お問い合わせ

info@semi-colon.net

電話でのお問い合わせ(平日9:00~18:00)

076-274-0084