キーワード集客のすすめ;SEOはもうやめよう
Webサイト制作や運用で必ず出ているキーワードが「SEO」です。Web担当者であれば知らない人はいない用語ですが、ほとんどの人が正しく理解していないのが現状です。おそらく多くの人はSEOというのをWebサイトの訪問者を増やすことだと思っていて、これは間違いではないのですが、そのための方法としてなにか高度な技術や、裏技のようなものがあると誤解しています。Web担当者であれば誰でも知っているのに、ほとんどの人が誤解しているというこの混乱を避けるために、「SEO」という言葉を使うのをやめて、「キーワード集客」を使うのがいいのではないか、ということを提言します。
Contents
SEOの歴史
そもそもSEOとは
もともとSEOというのはテクニカルな話でした。いまでいう「内部施策」です。タイトルタグを各ページで変えないとダメだとか(当時は全ページが同じタイトルというサイトがよくあった)、descriptionとkeywordを設定したほうがいいとか、見出しには見出しタグを付けないといけないとか、そういうHTMLの基本的なお作法の話でした。
ようするに検索エンジンに拾ってもらうための必要条件がSEOだったのです。なので目的としては検索順位を上げるというか、不当に低いものを適切な順位まで上げるための方法でした。
外部SEOという外道
ここで出てきたのが当時のSEOを逆手に取った外部SEOという手法。2010年代のGoogleはアルゴリズムがあまり洗練されておらず、被リンク数によって順位が決められていたため、とにかく多くのサイトからリンクが張られていれば順位が上がる仕組みでした。それを利用し、リンクを張るためだけのサイトを量産し、特定のキーワードの検索順位を上げるサービスを提供する会社が出てきました。幅広く営業をかけていたので、当時Web担当者だった人はそういう話をよく聞いたことでしょう。この頃から検索順位はお金で買えるものだという認識が広まってきました。
パンダアップデート以後
2011年にGoogleは「パンダアップデート」と呼ばれるアルゴリズムの変更を行い、外部からたくさんリンクが張られているだけの内容が薄いサイトの順位を下げました。このアップデート以後、タグの書きかたや被リンク数ではなく、コンテンツの質により検索順位が決まるようになったのです。
SEOという言葉だけが残った
本来はこの段階でSEOは終わったといっていいでしょう。内部施策はあたりまえになり、外部施策は封じられました。検索順位を挙げたければコンテンツを充実させてサイトの質を上げるしかなくなり、テクニカルな話ではなくなりました。しかし、なぜかSEOという言葉だけが残ったのです。もともと検索エンジンに拾ってもらうための技術仕様を意味していたSEOが、検索エンジンで上位表示させるにはどうすればいいか、という意味に変化し、「コンテンツSEO」という奇妙なワードが生まれてしまいました。
検索エンジンで上位表示させるには、キーワードに合わせたページを作るしかないとほとんどのWeb屋は理解しています。しかし一般のWeb担当者は、なにかSEOというマジカルな裏ワザのようなものがあると思っているので、SEOだけをオーダーしてきたりします。
Web担当者「アクセス数が少ないのでSEOをお願いしたいんですけど」
制作会社「リニューアルしたいということですか?」
Web担当者「いや、新しくしたばかりなのでリニューアルは考えていません」
制作会社「え?」
SEOは既存のサイトに対して何かおまじないをかけるようなものではありません。SEOを理解したうえで、それに合わせてサイトを作るものなのです。これについては別のコラムに書きました。
キーワード集客のすすめ
集客したいキーワードでページを作る
Web担当者がやりたいことは、検索エンジンで上位表示されることです。このときたとえば「新築」のようなビッグワードで上位に表示させることは難しいので、「新築 名古屋」のようにAND検索を狙います。まだ競合が多すぎるようであれば、「新築 名古屋 和モダン」のように自社の強みで見つけてもらうことになります。このとき「和モダン」で来てほしいのであれば、タイトルに「和モダン」を含むページが必要になります。もちろん商品紹介として「和モダン」のページを作ればいいのですが、Googleはメインページの1ページもニュースの1ページも同じ1ページとして評価しているようなので、ニュースで書くというのも手です。重要なのは、必要なキーワードに合わせてページを作れるように最初から設計しておくことです。
ページの種類は問わずキーワードに合わせてページを作る
- 商品紹介ページ
- ニュースやブログ
- よくある質問(個別ページが必要)
- 事例
集客したキーワードに合わせてコンテンツを作るというのはまさに「コンテンツSEO」そのものですが、「SEO」という単語を使うと、どうしてもわかりにくくなるというか、Web担当者に誤解を与えてしまいます。「キーワード集客」「集客キーワード」といえば、「SEO」という単語に帯びているマジカルな匂いはしないでしょう。キーワード集客するためにはコンテンツが必要です、ということであれば、ずいぶんとすっきり理解できそうな気がします。
おわりに
Web担当者から「SEO」という言葉を聞くたびに、「そもそもSEOはですね」と説明するのが大変なので、早くSEOという単語がこの世から消えてくれればいいのにと切に願っています。
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