SEOで勝つために重要なのは戦略設計
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SEOとは何か
SEOはあとのせできない
日清どん兵衛の天ぷらは「あとのせ」か「さきいれ」かという論争がありましたが、私は断然さきいれ派。天ぷらを単体で食べるならサクサクしているほうが好きですが、天ぷらそばとして食べるならドロドロしてたほうがそばに合うし、なによりつゆに油が溶け出すことで、天ぷらそばとして完成すると思っています。
SEOも同じです。同じというか、あとのせはできないと思ってください。
たまに相談されるのが、ホームページをリニューアルしたけど、検索にヒットしない、SEOだけお願いできますか、という内容です。SEOをあとのせしたいということですが、基本的にはできませんとお答えしています。10年以上まえならできました。かつては外部施策と呼ばれるSEOがあり、キーワード1つにつき毎月10万とか20万円くらいを払ったら検索で上位にするという商売がありました。リスティング広告ではなく、お金で自然検索の順位を上げることができたのです。これはダミーサイトのようなものを無数に作って、狙ったキーワードでサイトにリンクを張りまくり、被リンク数を上げていたのですが、Googleがそれをスパム行為としたことで、そういう外部施策は逆にペナルティを受けるようになりました。お金でSEOは買えないのです。
ではどうするのか。いまSEOとして有効な施策は、内部施策であるコンテンツSEOになります。これは集客したいキーワードをもとにコンテンツを作るやり方です。ようするに、Webサイトを作るまえにSEOを考える必要があるのです。私たちはこれはをWeb戦略設計と呼んでいます。
SEOはインチキできない
そもそもSEOとは検索エンジン最適化という言葉が表すように、「最適化」です。ユーザーが調べたいキーワードを検索し、最適なページを表示させるのが検索エンジンです。そのとき、調べたいこととはマッチしないページが出てくるのがよくありません。たとえばユーザーが「どん兵衛」を検索したときに1番目に出てきてほしいページは日清のサイトでしょう。もしもこの記事が出てきたら「これじゃねえ!」となってしまいます。なのでSEOではインチキはできません。検索キーワードにマッチしたページが出るのがSEOなので、検索上位を狙うのであれば、そのキーワードで1番のページを作る必要があるのです。もしも「どん兵衛」で日清のサイトより上位を狙うのであれば、日清のサイト以上にどん兵衛のことを詳しく書くページを作ればいいのです。
SEOの大原則は1キーワード=1ページ
これは若干テクニカルな話かもしれませんが、なんらかのキーワードで上位を狙うのであれば、そのキーワードをタイトルに含むページを作る必要があります。たとえばあなたのWebサイトに「よくある質問」というページがあり、そのなかの1つに「どん兵衛は食べられますか」という質問とその回答があったとします。このページで「どん兵衛」をヒットさせることはできません。このページはGoogle的には「よくある質問」のページでしかないのです。しかしあなたは「よくある質問」で検索したときにこのページを見てほしいのでしょうか。おそらくそうではないでしょう。であれば、ユーザビリティ的にはよくないかもしれませんが、SEOを重視するのであれば、「よくある質問」のページには質問だけを書いておいて、回答のページは別ページにすればいいのです。であればそのページはGoogle的に「どん兵衛は食べられますか」のページとなり、回答がしっかりしていれば、上位表示を狙うことが可能になります。
SEOを考えたサイトの作り方
順番としては、①ターゲットを考える、②キーワードを考える、③ページ構成を考える、④コンテンツを考える、となります。これを間違えるといろいろブレてしまうので、この順番に考えていきましょう
①ターゲットを考える
まずはサイトに来てほしいのは誰かを考えます。お客さん、ではダメです。たとえばあなたが高級羽毛布団を名古屋のリアル店舗で売っているのであれば、「高級な羽毛布団を探している名古屋の人」がターゲットになります。これはあくまでメインのターゲットなので、名古屋以外のエリアから買いに来る人もいるとか、そういう最大値を求める必要がありません。そんなことを言い出したら、ターゲットがどんどん広く浅くなってしまいます。いちばん見てほしいターゲットを考えてください。
②キーワードを考える
キーワードは競合との差別化要素となります。高級羽毛布団であれば「日本製」「マザーグース」「アイダーダウン」などになるのでしょうか。ショールームで体験できるのであれば「体験」などもいいでしょう。実際の検索を考えると、「羽毛布団 名古屋 購入」など、AND検索の2番目、3番目のキーワードになります。1番目は「ビッグワード」と呼ばれる、知りたい、買いたいものが入ります。これで1位になれればいいのですが、それはなかなか難しいので、2番目、3番目を考えます。2番目はたとえばエリアが来て、3番目に差別化要素が入ることを想定します。
このとき必ず①で考えたターゲットのことを想定してください。①のターゲットはどういうキーワードで探すのか。②のターゲットがどういう検索をしたときに自社のサイトが表示されるのがベストなのか。そういうシミュレーションを行います。
③ページ構成を考える
キーワードがいくつか決まったら、そのキーワードをタイトルに含むページをベースにサイトマップを作っていきます。たとえば「アイダーダウン」で来てほしいのであれば、「アイダーダウンの特徴」というページを作ります。キーワードが多い場合には、すべて「よくある質問」の子ページとしても構いません。Googleにとっては「商品情報」も1ページですし、よくある質問にぶら下がるページも1ページ、ニュースの記事も1ページです。とにかくキーワードごとにページを分けていき、それらをまとめながらページ構成を考えるのです。
④コンテンツを考える
ページ構成が決まれば、あとはそのなかに何を書くかを考えます。当然、①のターゲットが②のキーワードで検索したときに表示されるコンテンツなので、どういうコンテンツがあれば、その検索にマッチするのか、最適なのかを考えることになります。
最近のGoogleではE-A-Tということがいわれます。これはExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取ったもので、どういうコンテンツがあれば検索上位に来るかのガイドラインとなります。自分たちの説明、自分語りに終始するのではなく、ターゲットが読んだときにためになるコンテンツを作るようにしましょう。
おわりに
SEOはテクニカルな話ではありませんし、お金で買えるものではありません。サイトを作るときには事前に戦略設計を行う必要があります。またそのときには、自社のウリは何なのか、競合との差別化要素は何なのかを明確に言語化する必要があります。よく会社のWebサイトの担当としてパソコンに詳しい若手社員が充てられることがありますが、とんでもないことです。サイト制作は「パソコン」の話ではなく、「マネジメント」や「マーケティング」の話なのです。
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