ホームページの問い合わせを増やす方法
BtoB企業のコーポレートサイトやサービスサイトの運用でもっとも多い課題は問い合わせが来ないということでしょう。Webサイトの目的が新規開拓であれば、問い合わせが来ないということはサイトが機能していないということです。
たとえば3年間使う予定のサイトの立ち上げで300万円がかかり、毎月の運用で10万円がかかっているサイトで、月に1件しか問い合わせが来ないとすると、300万円を36ヶ月で割って約8万円、運用を足すと18万円となり、1件の見込み客の獲得に18万円もかかっている計算になります。これなら営業マンを雇って飛び込み営業をしたほうが効率的でしょう。このようにまずは現状の数字から把握してみましょう。
現状の数字の把握
- サイトの訪問者数
- 問い合わせページの訪問者数
- 問い合わせ数(コンバージョン数)
サイトのどこに問題があるのかを調べる
なんとなく問い合わせが来ない、という感覚だけではサイトのどこを改善すればいいのかわかりません。まずは現状の数字を把握するところからはじめましょう。問い合わせを増やすためにとにかくサイト全体のアクセス数を増やそうというのは無謀です。コンバージョン率がきわめて低い状態のままアクセス数を増やすというのは、ザルで水をすくう行為です。まずはコンバージョン率を確認し、それが低いのであれば、どこに問題があるのかを調べましょう。
下の図は新規開拓を目的としたWebサイトで、リード(見込み客の情報)の獲得に成功しているサイトのコンバージョン率です。業界や扱っている商品にもよりますが、コンバージョン率は1%がだいたいの目安となります。1%に満たない場合には、フォーム到達率とフォーム通過率を確認します。
フォーム到達率とはフォームのある問い合わせページの訪問者数(フォーム到達数)をサイト全体の訪問者数で割ったもので、全体の訪問者のうち問い合わせページに行った人の割合です。
フォーム通過率とは問い合わせのページから送信が完了した数をフォーム到達数で割ったもので、問い合わせページから離脱せずに問い合わせが完了した人の割合です。
コンバージョン率が1%より低い場合、フォーム到達率が低いのか、フォーム通過率が低いのかを調べます。どちらが低いかによって対策は変わってきます。フォーム通過率については、コンバージョンが問い合わせなのか、資料ダウンロードなのかによって変わってくるので、この20%という数値はあくまで参考値です。
フォーム到達率が低い場合
フォーム到達率が低い理由はいくつか考えられます。サイトに書かれた内容を読んで、興味を持てなかった、問い合わせたいと思えなかったというコンテンツの問題、問い合せのページがどこにあるのかがわかりにくいというユーザビリティの問題、サイトの訪問者のほとんどが来てほしいターゲットとは違うというユーザーの問題などです。
コンテンツに問題があるのであれば、サイトを根本的に見直す必要があります。キャッチコピーが魅力的か、強みが明確になっているか、商品・サービスの特徴が十分に書かれているか、信頼性が伝わっているか、他社との差別化ができているか、など検討すべきことはたくさんあります。
自社の強みを見つける3C分析についてはこちらもお読みください。
ユーザビリティに問題があるのであれば、問い合わせへの入り口を見直す必要があります。たとえばトップページにしかリンクがないようなデザインであれば、全ページ共通のグローバルナビゲーションやフッター部分にリンクを付ける、いつでも目に入るように画面のどこかに固定する、ページを読みすすめるとポップアップするボタンを設置する、などが考えられます。
意外と忘れがちなのはスマホで閲覧したときのデザインです。パソコンで閲覧したときには目立つところにボタンがあっても、スマホで閲覧したときにはボタンが消えていた、なんてこともありえます。これはGoogleアナリティクスでPCとスマホとの比較をすることで見つけられます。
ユーザーに問題があるかどうかはGoogleアナリティクスでページビューが多いページを確認する、またはGoogleサーチコンソールでどういう検索ワードでサイトに来ている人が多いのかを確認する、という方法があります。見てほしいページ、来てほしい検索ワードとミスマッチがある場合には、ユーザーに問題があると考えられます。たとえばニュース記事で商品サービスとは関係がないキーワードが含まれていて、そこにアクセスが集中しているケースなどです。
そもそも集客ワードが定まっていないのであれば、戦略設計からやり直したほうがいいかもしれません。戦略設計についてはこちらのコラムをお読みください。
フォーム通過率が低い場合
フォーム通過率が低い理由としては、ユーザーの負担が大きいことが考えられます。せっかくフォームまで来ているのに離脱してしまう、いわゆるフォーム落ちが多いというのは非常にもったいない状況です。名前も知りたい、会社名も知りたい、メールアドレスも知りたい、部署も知りたい、電話番号も知りたい、FAX番号も知りたい、導入時期も知りたい、サイトを知ったきっかけもしりたい、と知りたいことを挙げればキリがないでしょう。しかしそのために問い合わせされないのであれば本末転倒です。最低限の項目以外は削除する思い切りが必要です。
フォーム最適化(EFO)についてはこちらもお読みください。
コンバージョン率に問題がない場合
コンバージョン率は1%以上あるが問い合わせが少ないという場合は、たんにアクセス数が少ないだけなので、アクセス数を増やす施策が必要です。とはいえ、商品サービスと関係がないキーワードで集客しても、コンバージョン率が悪くなるだけでしょう。いまのターゲットのままで新規ユーザーを増やすことが必要になります。手っ取り早い方法としてはWeb広告があります。
Web広告についてはこちらもお読みください。
おわりに
なにか問題がある場合には、どこに原因があるのかを特定することが重要です。Googleアナリティクスやサーチコンソールを活用して課題を発見し、適切な対策を行うようにしましょう。どこに問題があるのかがわからないまま手当たりしだいに対策を行ってしまい、余計にこじらせることがないようにしたいものです。
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