病院Webサイトを制作するときの現状分析チェックリスト

Webサイトをリニューアルするとき、まずは現状の分析を行います。どのくらいの訪問者がいるのか、コンバージョンが獲得できているのかというデータ的なこともそうですが、使いやすさなどユーザビリティ的なことも問題があれば把握します。

この記事では、病院のWebサイトで簡易的にチェックする内容をまとめました。リニューアルすることが決まっていなくても、以下の項目に複数当てはまる場合には、リニューアルすることをおすすめします。

病院Webサイトのチェックリスト

重要項目の表示

弊社のアンケートによると、一般の方が病院のWebサイトを見るときの目的は、「外来受付時間を調べるため」「診療日・休診日を調べるため」「アクセスを知るため」「どのような診療科があるか調べるため」の4つがもっとも多く、これら4つを合わせると全体の90%以上にもなりました。これらの重要項目がWebサイトを開いたとき(ファーストビュー)に表示されているかどうかはとても重要です。

最近のWebデザインでは連絡先や営業時間をフッターに記載することも多いですが、病院の場合、それほどITリテラシーが高くないユーザーも見ることが想定されるので、できればスクロールしなくても見られるヘッダーに記載することが求められます。

項目 判定 内容
外来受付時間 優良 / 良 / 可 / 不可 外来受付時間と診療日・休診日の情報についてはとくに重要です。ヘッダーに時間と曜日がそのまま表記されていると「優良」となります。そこに表示されていなくても、「外来受付時間」と書かれたリンクがあり、クリックすると表示されているページに遷移するのであれば「良」です。ヘッダーにはなくてもフッターやどこかのページに記載されているのであれば「可」、どこにも記載がない、またはどこにあるかが非常にわかりにくい場合には「不可」とします。
診療日・休診日 優良 / 良 / 可 / 不可 同上
アクセス 優良 / 良 / 可 / 不可 アクセスについてはヘッダーに地図を載せるわけにはいかないので、どこかにリンクをすることになりますが、アクセス情報がどこにあるのかはわかるようにする必要があります。「交通アクセス」や「交通案内」などわかりやすい文言でヘッダーに表示されていれば「優良」、ファーストビューにはなくてもトップページにわかりやすく表示されていれば「良」です。ヘッダーに表示されていても「Access」やアイコンのみの表記は病院にはふさわしくないので「可」、どこにも記載がない、またはどこにあるかが非常にわかりにくい場合には「不可」とします。
診療科 優良 / 良 / 可 / 不可 複数の診療科がある場合、どんな診療科があるか、その診療科で曜日ごとに担当医や休診日があるのであれば、それがわかるページへのリンクをヘッダーに表示します。外来担当医表があっても各診療科のページの下のほうに掲載されていたのでは、はじめてのユーザーはなかなか見つけることができません。ヘッダーにリンクがあれば「優良」、ヘッダーにはなくてもすぐに見つけられれば「良」、探すのに時間がかかれば「可」、情報がなければ「不可」とします。

病院のWebサイトについては「利用者」の視点が重要です。利用者目線ではどのようなサイトを制作すればよいか、下記のコラムをご参照ください。

見やすさと安全性

病院のWebサイトは患者さんやご家族、医療関係者や求職者など、さまざまな方が訪問します。当然、すべての方が不自由なく情報にアクセスできなければいけません。また見やすさだけではなく、セキュリティの観点からもチェックする必要があります。

項目 判定 内容
スマホ対応 優良 / 良 / 可 / 不可 病院のWebサイトであれば9割程度はスマホで閲覧しています。スマホ対応していなければ、高齢者にはとても見にくく、必要な情報にたどり着けないサイトになってしまいます。PCよりもスマホのほうが見やすいと感じられれば「優良」、スマホ対応がされていれば「良」、不完全でも支障がなければ「可」、PCのレイアウトのままであれば「不可」とします。
SSL化(暗号化通信) 優良 / 良 / 不可 SSL化はセキュリティの観点はもちろんですが、Googleでの表示順位にも影響があるので、対応は必須です。全ページがSSL化されていれば「優良」、フォームのページだけがSSL化されていれば「良」、まったくSSL化されていなければ「不可」とします。
ユニバーサルデザイン 優良 / 良 / 可 / 不可 病院のサイトは老若男女、あらゆる人が利用するものです。小さすぎる文字やコントラストが低くて読みにくい文字、色の区別だけでの情報(青丸はOK、赤丸はNGなど)、画像だけでの情報(altタグなし)など、いわゆるアクセシビリティに配慮するのはもちろんですが、グローバルナビゲーションの項目名が「About Us」や「Access」「Sitemap」など英語での表記だけだったり、スマホで閲覧したときのハンバーガーメニューがアイコンだけだったりするのも避けなければいけません。すべてに配慮されていれば「優良」、ある程度がクリアできていれば「良」、最低限のアクセシビリティが確保されていれば「可」、ほとんどのユーザーが迷うようなデザインであれば「不可」とします。

SSLについては下記のコラムに書きました。

運用とマーケティング

Webサイトは運用するものです。ちゃんとユーザーに見つけてもらい、定期的に情報が更新されている必要があります。

項目 判定 内容
更新システム 優良 / 良 / 不可 迅速な情報発信、定期的な更新のためには更新システム(CMS)は不可欠です。システムが導入されており、ほぼすべてのページが更新できるのであれば「優良」、最低限ニュースが更新できるようであれば「良」、更新システムが導入されていなければ「不可」とします。
更新頻度 優良 / 良 / 可 / 不可 ニュースなど日々の情報を発信することはもちろんですが、病院長あいさつや診療科の紹介などでも何年もまえの古い情報が掲載されていることは好ましくありません。ほぼ毎日更新されているようであれば「優良」、月に数回の更新がされていれば「良」、数ヶ月に1回程度の更新がされていれば「可」、1年以上も更新がされていないようであれば「不可」とします。
SEO施策 優良 / 良 / 可 / 不可 ここでいうSEO施策とはテクニカルな内部施策のことです。たとえばタイトルタグや見出しタグが適切かどうかなどです。ビジネス目的ではないからSEOなんて必要ないと思う人もいるかもしれませんが、インターネット上の情報として構造化させることはとても大切です。GoogleのリッチリザルトやSNSのOGPも含めて適切なコーディングがされていれば「優良」、基本的なコーディングがされていれば「良」、タイトルや見出しなど最低限のコーディングがされていれば「可」、なにもされていなければ「不可」とします。
キーワード集客 優良 / 良 / 可 / 不可 検索エンジンからの集客ができているかをチェックします。病院名を含む指名検索だけではなく、集患したいエリア名と診療科名などの組み合わせでも確認を行います。地域名と「病院」、「歯科」「内科」など診療科名、「人間ドック」「胃カメラ」など診療サービス名の組み合わせで上位表示されれば「優良」、地域名と「病院」、「歯科」「内科」など診療科名で上位表示されれば「良」、病院名で表示されれば「可」、病院名だけでは上位表示されなければ「不可」とします。

ブランディング

病院のWebサイトは、リアルな病院に合ったものであることが望ましいと考えます。最新の設備が整った総合病院なのに職員が適当に作った古いサイトではダメですし、逆に古くて小さな病院なのにWebサイトがものすごく作り込まれているのも変でしょう。実態に即したWebデザインが求められるのです。であれば、Webサイトを見ただけで、どういう病院なのかがわかる必要があります。

項目 判定 内容
メインビジュアル 優良 / 良 / 可 / 不可 病院のことを知らない訪問者にとってファーストビューで表示されるメインビジュアルはとても重要です。ここはこういう病院なのかと第一印象を与えます。病院では外観の写真が用いられることが多いですが、それだけではなかなかわかりません。スライド写真やキャッチコピー、動画などを活用してファーストビューだけでなんとなく病院のことがわかれば「優良」、病院の規模や特徴がわかれば「良」、なんとなくどういう病院なのかがわかれば「可」、メインビジュアルだけではまったくわからなければ「不可」とします。
病院の特徴 優良 / 良 / 可 / 不可 他院と比較したときに病院の特徴がしっかりと書かれているかも重要です。地域の中核病院や歴史のある病院などでは、ここらへんの人はみんな知っているだろうと病院の特徴が書かれていないことがよくあります。他県から引っ越してきた人でもWebサイトを見てどういう病院か理解できるかどうか、という観点で見直してみるといいでしょう。トップページや病院案内のページに特徴が書かれていれば「優良」、病院の特徴としていくつかピックアップしてあれば「良」、院長のあいさつなどどこかに書かれていれば「可」、なにも書かれていなければ「不可」とします。
デザイン 優良 / 良 / 可 / 不可 印象として最近作られたものか、もう何年もまえに作られたものかを判断します。実際に新しいかどうかではなく、新しく見えるかどうかです。ここ1、2年で作られたようであれば「優良」、5年以内に作られたようであれば「良」、10年以内に作られたようであれば「可」、作られてから10年以上は経っているように見えれば「不可」とします。

おわりに

立派な病院なのにWebサイトがいまいちだと「もったいない」と感じます。かかりつけ医であればともかく、はじめて行く病院であれば、最近は必ずWebサイトを見るでしょう。しっかりと仕事をしていればホームページなんてどうでもいいと考えている病院長もいるかもしれません。しかし、患者へのサービスのためにも、Webサイトでの情報発信は書かせません。病院にふさわしいWebサイトの制作をおすすめします。

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