社長を説得するためのホームページリニューアルの必要性

社員はホームページをリニューアルしたくても社長がなかなかいいと言ってくれないという話をよく聞きます。とくにBtoBで営業部門がフィールドセールスで仕事を取ってきたり、既存取引先からの仕事で回しているような会社では、何百万円もかけてコーポレートサイトをリニューアルしてどうなるんだと思っている社長もいるでしょう。営業部門ではWebマーケティングの必要性を感じていたり、人事部門では採用のためにリニューアルしたいと思っても、頭の固い社長を説得できない。そんな状況で社長を説得するにはどうすればいいか、ホームページリニューアルの必要性についてまとめます。

説得に失敗するケース

ホームページリニューアルのよくある目的と社長の反論

  • ホームページからの問い合わせを増やしたい
  • ホームページの内容が古くなってきたから刷新したい
  • ホームページのデザインが古くさいので変えたい
  • ホームページをスマホに対応させたい
  • ホームページの更新費用が高いので自分たちで更新できるようにしたい
  • ホームページをリニューアルしてSNSと連携したい
  • ホームページをリニューアルしてセキュリティを向上させたい
  • ホームページの採用情報を充実させて応募を増やしたい
  • ホームページを検索にヒットさせるようにしたい
  • ホームページのアクセス数を増やしたい

ホームページからの問い合わせを増やしたい

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社員

ホームページからの問い合わせがほとんどないので、リニューアルして増やしたいと思うのですが。

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社長

それでどのくらい増えるんだ。いま少ないものをリニューアルしたからって増えるもんじゃないだろ。そもそもうちの業界はホームページで問い合わせするような人はいないんだよ。

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社員

どのくらい増えるかはやってみないとわからないところはありますが。

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社長

そんなわからないものに何百万円もかけるのか!

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社員

・・・。

ホームページの内容が古くなってきたから刷新したい

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社員

新しい商品をホームページに載せたいのですが、まだ古い情報がけっこう残ってまして、まとめて直すために全体をリニューアルしたらどうかと思うのですが。

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社長

古いのはどこなんだ。どこが古いかわかってるなら直せばいいだけだろ。いまのホームページを直すのとリニューアルするのとでなにが違うんだ。古い情報を消して新しい情報を追加するのは一緒だろ。君がなにをしたいのかよくわからんよ。

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社員

・・・。

ホームページのデザインが古くさいので変えたい

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社員

ホームページのデザインが古くさいなってきたのでリニューアルしたいと思うのですが。

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社長

古くさいってどこが古くさいんだ。たしかに作ったのはだいぶまえだけど、デザインというのは時間が経つと古くなるものなのか。だったらリニューアルしてもまたすぐ古くなるじゃないか。そもそも古くさいというのはどういう状態で、それによってどういう悪影響があるのかを示してくれないと判断のしようがないじゃないか。

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社員

・・・。

ホームページをスマホに対応させたい

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社員

ホームページがスマホ対応していないのでリニューアルしたらいいと思うのですが。

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社長

スマホ対応していない?私はスマホでうちのホームページを見たことがないが、スマホだと見れないのか。

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社員

いや見れないわけではないのですが、見にくいというか、パソコンと同じように見えるというか。

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社長

パソコンと同じように見えてるならいいじゃないか。スマホ用のホームページを作るということなのか?そもそもうちのホームページをスマホで見ようというお客様がいるとは思えんが。君だって取引先のホームページはパソコンで見てるじゃないか。なんでもかんでもスマホにすればいいというもんじゃないだろ。

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社員

・・・。

ホームページの更新費用が高いので自分たちで更新できるようにしたい

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社員

ホームページの内容を更新してもらうのに毎回費用がかかっているので、自分たちで更新できるようなものにリニューアルしたいと思うのですが。

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社長

たしか毎月3万円くらいかかっていると思うが、年間で約40万円として、リニューアルにかかる費用が400万円なら10年分じゃないか。自分たちで更新するなら人件費だってかかる。更新費用を払ったほうが安上がりじゃないか。こういうのは中長期で計算しないとダメなんだよ。

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社員

・・・。

ホームページをリニューアルしてSNSと連携したい

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社員

せっかく当社でもSNSをやっているので、ホームページをリニューアルして、SNSと連携したいと思うのですが。

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社長

前々から疑問に思っていたんだが、Facebookとかをやる意味はあるのかね。そこから受注につながったと報告を聞いたことがないと思うが。まずSNSを続けるべきかどうか、そこから検討してみたらどうかね。

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社員

・・・。

ホームページをリニューアルしてセキュリティを向上させたい

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社員

とある会社から当社のホームページがSSLというものに対応してないとかで、セキュリティに問題があるからリニューアルしたほうがいいと言われたのですが。

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社長

セキュリティに問題がある?うちの会社がサイバー攻撃を受けるとかそういう話か。そんな物好きがいるとは思えんがね。そういうのは営業トークなんだよ。君だって営業の経験があるからわかるだろ。そういうのに簡単に引っかかっちゃいかんよ。適当にあしらっておけばいいんだ。

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社員

・・・。

ホームページの採用情報を充実させて応募を増やしたい

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社員

最近は採用の応募が減っているので、ホームページでも採用情報を充実させて応募を増やしたいと思うのですが。

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社長

うちはみんなハローワークからの応募なんだろ。ホームページに採用情報を載せたってあまり関係ないんじゃないのか。最近はほら、テレビCMとかでやってる無料のやつがあるだろ。そういうのをやればいいじゃないか。

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社員

・・・。

ホームページを検索にヒットさせるようにしたい

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社員

当社のホームページがプラント設計では検索に出てこないので、リニューアルしてはどうかと。こういうのをSEOというらしいのですが、検索エンジンにヒットさせる作りかたがあるらしくて。

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社長

まあたしかにプラント設計で出てきたらいいかもしれないが、社名では出てくるんだろう。ならべつに問題ないじゃないか。プラント設計で出てきたらなにかいいことでもあるのかね。それをするのに何百万円もかかるんだろう。ちょっとは費用対効果というものを考えたらどうかね。

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社員

・・・。

ホームページのアクセス数を増やしたい

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社員

ホームページのアクセス数が少ないのでリニューアルしたらどうかと思うのですが。

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社長

アクセス数が増えるとなにかいいことがあるのかね。

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社員

・・・。

すれ違う社長と社員

ここで挙げた問答は社長をディスるものではありません。社員からの上申にたいして社長はこのように返すのは当然といえるでしょう。社長はWebにうといとか、頭が固いとか、そういうことではなく、社長と社員では判断のものさしがちがうのです。社長が知りたいのは、検索がどうとかスマホがどうとかではなく、それが会社の経営にとって課題なのかどうかなのです。

社長が知りたいのは経営課題

世の中の中小企業・小規模事業者はなにを経営課題としていて、どのような取り組みをしているのか。一般社団法人日本能率協会「日本企業の経営課題2022」によると、経営課題のベスト10は下記のようになっています。

  1. 収益性向上
  2. 人材の強化(採用・育成・多様化への対応)
  3. 売上・シェア拡大
  4. 事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築
  5. 新製品・新サービス・新事業の開発
  6. 働きがい・従業員満足度・エンゲージメントの向上
  7. デジタル技術の活用・戦略的投資
  8. 株主価値向上
  9. CSR、CSV、事業を通じた社会課題の解決
  10. 技術力・研究開発力の強化

このなかの上位3つ「収益性向上」「人材の強化」「売上・シェア拡大」の観点からホームページリニューアルの必要性を考えてみましょう。

経営課題から見たホームページリニューアルの必要性

収益性向上

収益性向上の取り組みとしては「営業力の強化と効率化」「付加価値の高い商品・サービスの開発」「競合との差別化による競争力の向上」などがあります。ホームページを「会社のプロフィール」だと認識しているかぎりでは収益性向上とは結びつかないかもしれません。しかし最近ではホームページをWeb上のプロフィールではなくWeb上のマーケティング部門として考える企業が増えています。

旧来、BtoB企業では営業マンが飛び込み営業を行い見込み客を見つけ、何度か足を運ぶなかで提案の機会を獲得し、クロージングするというのが王道のスタイルでした。それがいまでは見込み客はWebで見つけ、営業マンは提案とクロージングに徹するというスタイルが一般的になりつつあります。この見込み客を見つける部門を「デマンドセンター」といったりします。

ホームページをマーケティングとして活用するのであれば、デザインもページ構成もすべてを変えなければならないでしょう。プロフィールであれば主語は「わたし」ですが、マーケティングであれば主語は「あなた」です。当社にはこのような技術があります、設備があります、ではなく、お客様の課題にたいしてこのようなソリューションを提供します、となるのです。

人材の強化

前出の調査では「現在」の経営課題の1位は「収益性向上」でしたが、「3年後」の1位は「人材の強化」でした。多くの企業にとって人材の強化は中長期の大きな課題です。ハローワークを使えば応募はあるかもしれません。しかし、ホームページの内容が古ければ、その内容に合った人材しか応募はないでしょう。たとえば電子機器の製造をしている会社で、今後はIoTの制御装置を拡大していこうと思っていたとしても、そのことがホームページに反映されていなければ、IoTをやりたい人材は集まってこないでしょう。

たとえ求人ポータルに掲載してあったとしても、求職者は必ずその会社のホームページを見ます。会社にとってこれから必要になる人材を確保したいのであれば、ホームページはその方向性が示されたものにリニューアルする必要があります。採用についてはコーポレートサイトとは別に採用サイトを制作するのも手です。

採用サイトをあまり費用をかけずに早く作るには

私たちの提供している「ドンピシャ採用サイト」なら初期費用10万円と月額費用1万円(税別)で採用サイトを作ることができます。採用サイトとして必要なページ構成があらかじめ用意されているので、採用担当者が自分で内容を入れることで、立派な採用サイトを作ることができます。無料でトライアルもできるので、ぜひお試しください。

ドンピシャ採用サイト

売上・シェア拡大

ホームページを新規開拓のツールとして使うのであれば、検索エンジンから集客が必要です。もしも現状で狙ったキーワードで集客できていないとすれば、営業活用で機会損失しているといえます。機会損失が起きているかどうかは簡単に調べることができます。

まず、GoogleコンソールなどWeb分析ツールを使って、現状どのような検索ワードで集客しているかどうかを調べます。キーワードのほとんどが会社名を含む指名ワードであれば、新規開拓はほとんどできていません。つぎにSEOチェキ!などの分析ツールを利用して、集客したいキーワードで自社のサイトが何位に表示されているかを調べます。そして実際に検索エンジンで検索してみて、1ページ目に競合の会社が出てくるかを確認します。最後にaramakijake.jpなどのツールを使って検索ボリュームを調べます。これらの結果、もし自社サイトが「圏外」で、競合サイトが1位に表示されており、検索ボリュームが月間1,000だったとすると、毎月1,000人の見込み客が競合に獲られてしまっていることになります。逆にいえば、そのサイトより上位に表示させることができれば、それだけの見込み客を獲得することができるわけです。検索エンジンでヒットするかどうかは、たんなるホームページの話ではなく、営業戦略の話なのです

キーワードで集客するためには、そのためのコンテンツを掲載する必要があります。これをコンテンツSEOといいますが、十分なコンテンツを掲載するためには、ページ構成を変更したり、CMSといわれる更新システムを導入する必要があるでしょう。

おわりに

ホームページをリニューアルするというのは手段にすぎません。では目的はなんなのか。総務や人事、営業など部門単位の課題で考えるのではなく、経営課題の解決として考えることで、社長も会社の課題として検討してくれるでしょう。

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