大学のWebサイト制作で気をつけなければいけないこと

現代社会において、Webサイトは大学のアイデンティティを表現し、情報発信や広報活動に不可欠なツールとなっています。しかし、Webサイト制作には様々な注意点があります。

企業のWebサイトは、潜在的な顧客や既存の顧客、パートナー企業など、主にビジネスに関連するユーザーをターゲットにしています。そのため、Webデザインは、ビジネスの目的を達成するための戦略的な設計が求められます。

一方、大学のWebサイトは、主に学生や教職員、研究者、一般の人々など、多様なユーザーをターゲットにしています。そのため、ユーザーのニーズや目的に合わせた情報提供や、アクセシビリティの配慮など、ユーザー中心の設計が求められます。

本稿では、大学のWebサイト制作において気をつけなければいけないポイントについて説明します。

大学のWebサイト制作において気をつけなければいけないポイント

ユーザビリティ

Webサイトを制作する上で最も重要な点は、ユーザビリティです。ユーザビリティとは、ユーザーがWebサイトを利用する上での利便性や使いやすさのことを指します。大学のWebサイトは、学生や教職員、地域住民など様々な利用者がいるため、ユーザビリティには十分に配慮する必要があります。

例えば、メニューやコンテンツの配置は、ユーザーが直感的に利用できるように工夫する必要があります。また、検索機能やナビゲーション機能なども、ユーザーが目的の情報を素早く見つけることができるように設計する必要があります。

またアクセシビリティにも十分な配慮が必要です。アクセシビリティとは、障がいを持つ人や高齢者、環境に制限のある人など、誰もがWebサイトを利用できるようにするための設計です。

例えば、視覚障がいを持つ人には、音声読み上げやテキストの大きさ調整機能など、情報を得るための支援が必要です。また、聴覚障がいを持つ人には、字幕や手話解説など、情報を得るための手段が必要です。アクセシビリティに配慮することで、より多くの人々がWebサイトを利用できるようになります。

コンテンツ

大学のWebサイトは、学内外の人々に情報発信する重要な手段です。そのため、コンテンツの充実度も重要なポイントの一つです。大学のWebサイトには、学校案内や入試情報、研究成果や教員紹介など、多岐にわたるコンテンツがあります。しかし、どのような情報を掲載するかは、利用者のニーズに合わせて考える必要があります。

例えば、学生にとっては履修科目や学生生活に関する情報が必要です。一方で、地域住民にとっては大学のイベント情報や地域貢献活動の報告が興味深いかもしれません。利用者のニーズを把握し、必要な情報を提供することが、Webサイトの利便性を高めるために必要です。

デザイン

大学のWebサイトは、大学のアイデンティティを表現する上で重要な役割を果たしています。そのため、デザインにも注意を払う必要があります。大学のロゴやカラーリング、写真などは、大学のブランディングに重要な要素であり、Webサイトのデザインに反映させることで、大学のイメージをより鮮明に伝えることができます。

しかし、デザインにはあまりにも派手すぎるものや、文字が読みづらいものなど、利用者にとって不快なものもあります。そのため、デザインにもユーザーの目線を忘れずに、利用者が見やすく、快適に利用できるデザインを考える必要があります。

企業のWebサイトではブランドイメージを表現するためのデザインや、ビジネス戦略に合わせたデザインが求められますが、大学のWebサイトは、大学のアイデンティティを表現するデザインが求められます。また大学のWebサイトは、学生募集や教育・研究情報の提供が主要な目的であるため、教育・研究に関する情報がわかりやすく、視覚的にも魅力的に表現されることが求められます。

セキュリティ

大学のWebサイトには、個人情報や研究成果など、機密性の高い情報が含まれることがあります。そのため、セキュリティに関する対策も重要なポイントの一つです。例えば、パスワードの管理や、不正アクセス対策、SSLの導入など、セキュリティに関する設計や運用を行うことで、情報漏洩や不正利用を防止することができます。

  1. パスワードの強度:ユーザーが登録するパスワードは、十分に強固で予測が困難なものである必要があります。また、パスワードを保存する際には、暗号化された形式で保存する必要があります。
  2. SQLインジェクション:SQLインジェクション攻撃は、悪意のあるユーザーがWebサイトに不正なコードを挿入することでデータベースにアクセスする攻撃です。これを防ぐためには、入力されたデータを適切にエスケープする必要があります。
  3. クロスサイトスクリプティング(XSS):XSS攻撃は、悪意のあるユーザーがWebサイトにスクリプトを挿入し、他のユーザーに悪影響を与える攻撃です。これを防ぐためには、ユーザーからの入力をエスケープし、適切な検証を行う必要があります。
  4. クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF):CSRF攻撃は、悪意のあるユーザーが、認証されたユーザーを装い、不正な操作を行う攻撃です。これを防ぐためには、適切な認証とトークンの使用が必要です。
  5. SSL証明書:WebサイトにSSL証明書を導入することで、ユーザーがWebサイトと通信する際の情報を暗号化し、安全な通信を実現できます。
  6. 不正アクセス対策:Webサイトへの不正アクセスを防ぐために、ファイアウォールやIPアドレスの制限、ログイン試行回数の制限など、適切な対策を取る必要があります。
  7. 定期的なアップデート:Webサイトのセキュリティを維持するためには、システムやアプリケーションのアップデートを定期的に行う必要があります。
  8. バックアップの実施:Webサイトのバックアップを定期的に取得し、問題が発生した場合に備えてデータを保護することが重要です。
  9. ファイルのアップロードの制限:Webサイトのアップロード機能を利用する場合は、ファイルの種類やサイズを制限し、不正なファイルのアップロードを防止することが必要です。
  10. セキュリティテストの実施:Webサイトのセキュリティテストを実施し、脆弱性の検出と修正を行うことが重要です。
  11. パッチ適用の実施:Webサイトの使用しているソフトウェアやアプリケーションのパッチを適用し、最新のセキュリティアップデートを取得することが必要です。
  12. ログの監視と管理:Webサイトのアクセスログやシステムログなどの監視と管理を行い、不正アクセスや攻撃の検知と対応が必要です。

おわりに

大学のWebサイト制作には、ユーザビリティ、コンテンツ、デザイン、アクセシビリティ、セキュリティなど、多くのポイントに注意する必要があります。利用者のニーズに合わせた情報提供や、セキュリティ対策の徹底など、慎重な設計や運用が求められます。大学のWebサイトは、大学のアイデンティティを表現する重要な手段であると同時に、多くの人々が利用する情報発信の場でもあります。

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